この手順で用意するもの

この記事の手順を終えると、同じ写真がパソコン・外付けドライブ・クラウドの3か所に保存されます。1か所が壊れても、残りの2か所から写真を戻せます。用意するものは次の4つです。

  • カードリーダー:手持ちのカードの規格に合うもの
  • 外付けドライブ:HDDまたはSSD。写真の総量の2倍以上の容量があるもの
  • クラウドストレージのアカウント:Google ドライブ、Dropbox、OneDrive、iCloud Drive など
  • パソコンの空き容量:1回に取り込む量より多いこと

カードリーダーは規格の確認が必要です。SDカード用のリーダーには、CFexpressカードは入りません。CFexpressには Type A と Type B の2種類があり、形も大きさも違います。片方のリーダーにもう片方は挿せません。カードのラベルに書かれた規格名を見て、対応するリーダーを選んでください。カメラとパソコンをUSBケーブルでつないで取り込む方法もあります。ただし転送が遅く、途中でカメラの電池が切れると取り込みが止まります。そのため、この記事ではカードリーダーを使います。

外付けドライブは、WindowsとMacの両方で使うなら exFAT 形式にしておくと読み書きできます。形式を変える作業(フォーマット)をすると、ドライブの中身はすべて消えます。すでにデータが入っているドライブでは行わないでください。

失敗しやすい3つの場面

写真が消える事故の多くは、次の3つの場面で起きます。手順に入る前に知っておいてください。

1つ目は、取り込み中にカードを抜くことです。コピーが終わる前に抜くと、写真の一部が壊れることがあります。カード自体の管理情報が傷み、パソコンで読めなくなることもあります。

2つ目は、カメラの中で写真を消してしまうことです。取り込んだつもりで消したら、実はコピーが失敗していた、という例がよくあります。カードの写真を消すのは、3か所すべてに保存できたと確かめた後だけにします。

3つ目は、フォルダの構成がバラバラになることです。取り込むたびに保存先が違うと、どこまでバックアップしたのか分からなくなります。最初に決まりを1つ作り、毎回それに従います。

手順1:保存先のフォルダの決まりを作る

パソコンの「ピクチャ」(Macでは「ピクチャ」または「写真」)の中に、写真専用のフォルダを1つ作ります。名前は「Photos」のように分かりやすいものにします。その中は「年」のフォルダ、さらにその中は「撮影日_内容」のフォルダに分けます。たとえば Photos/2026/2026-10-16_紅葉 のような形です。日付を先頭に置くと、名前順で並べたときに撮影順になります。外付けドライブとクラウドにも、この形のままコピーします。3か所の構成が同じなら、見比べるだけで漏れに気づけます。

手順2:カードからパソコンに取り込む

カードをカードリーダーに挿し、パソコンにつなぎます。WindowsではエクスプローラーでSD カードなどのドライブが、MacではFinderのサイドバーにカード名が表示されます。カードの中の DCIM フォルダを開くと、カメラが記録した写真が入っています。

写真をすべて選び、手順1で作った撮影日のフォルダにコピーします。ドラッグすると、カードとパソコンの間ではコピーになり、カードの写真は残ります。Windowsの「フォト」やMacの「写真」アプリで取り込む場合は、取り込み後にカードから削除する設定がないかを確認し、オフにしておきます。

コピーが終わったら、カードを正しい手順で取り出します。Windowsでは画面右下の「ハードウェアを安全に取り外してメディアを取り出す」から、MacではFinderのカード名の横にある取り出しボタンから操作します。この操作を省くと、失敗しやすい場面の1つ目と同じことが起きる場合があります。

取り込めたかの確かめ方

カードの写真フォルダと、パソコンにコピーしたフォルダの両方で、ファイル数と合計サイズを見ます。Windowsではフォルダを右クリックして「プロパティ」を、Macでは「情報を見る」を開きます。2つの数字が一致していれば、写真はそろっています。さらに、最初・中ほど・最後の写真を数枚開き、画像が最後まで表示されるかを見ます。RAW(カメラが記録する未加工のデータ)がWindowsで開けない場合は、Microsoft Storeの「Raw Image Extension」を入れると表示できる機種が増えます。

手順3:外付けドライブにコピーする

外付けドライブをつなぎ、パソコンと同じ Photos/年/撮影日_内容 の形でフォルダを作ります。パソコンにある撮影日のフォルダごとコピーします。このとき「移動」ではなく「コピー」にしてください。Windowsでドライブの違う場所へドラッグすると通常はコピーになりますが、確実にしたいときは右クリックで「コピー」と「貼り付け」を使います。終わったら、手順2と同じ方法でファイル数と合計サイズを比べます。ドライブはコピーのとき以外は外しておくと、パソコンの故障やウイルスの巻き添えを避けられます。

手順4:クラウドにアップロードする

各サービスのパソコン用アプリ(Google ドライブ for デスクトップ、Dropbox、OneDrive など)を入れると、指定したフォルダが自動でアップロードされます。ブラウザで各サービスを開き、フォルダごとアップロードする方法でも構いません。

ここで注意が1つあります。多くのアプリは「同期」という仕組みで動きます。同期では、パソコン側で写真を消すとクラウド側からも消えます。そのためクラウドだけを頼りにせず、外付けドライブと組み合わせます。またGoogle フォトのように、画質を落として容量を節約する設定があるサービスもあります。元の画質のまま保存する設定になっているかを確認してください。保存容量と料金はプランやサービスで違い、変わることもあります。申し込む前に各サービスの公式サイトで最新の内容を確認してください。

アップロードできたかの確かめ方

アプリのアイコンで、アップロード中の表示が消えて完了の表示になったかを見ます。その後、ブラウザでクラウドのフォルダを開き、ファイル数がパソコン側と同じかを確かめます。数枚をブラウザで開き、表示されることも見ておきます。

手順5:3か所を確認してからカードを初期化する

パソコン、外付けドライブ、クラウドの3か所でファイル数が一致したら、カードをカメラに戻します。カメラのメニューで「フォーマット」(初期化)を行い、次の撮影に備えます。パソコンでフォーマットするより、カメラで行うほうがそのカメラに合った形式になり、不具合が起きにくくなります。1か所でも確認できていなければ、フォーマットは見送ります。

誤って消したときに取り戻す方法

写真を誤って消したら、まずそのカードやドライブを使うのをやめます。撮影もフォーマットもしないでください。新しいデータが書き込まれると、消えた写真のデータが上書きされ、戻せなくなります。

パソコンで消した場合は、まずWindowsの「ごみ箱」やMacの「ゴミ箱」を見ます。クラウドで消した場合は、各サービスのゴミ箱を見ます。ゴミ箱に残る期間はサービスごとに違います。

カードから消した場合や、ゴミ箱にもない場合は、復元ソフトを使います。PhotoRec は無料で、Windows・Mac・Linuxで使えます。文字だけの画面ですが、カードを選んで実行すると、残っている写真のデータを探して取り出します。Windowsでは、画面で操作できる Recuva もあります。どちらの場合も、取り戻した写真の保存先は、パソコンの内蔵ドライブなど元のカードとは別の場所にします。同じカードに保存すると、まだ見つかっていない写真を上書きしてしまいます。復元ソフトですべてが戻るとは限りません。特にフォーマット後に撮影を続けたカードでは、戻せる量が大きく減ります。

次回からの判断基準

取り込みのたびに見るのは2点だけです。1つは、3か所すべてでファイル数と合計サイズが一致しているか。もう1つは、一致を確かめる前にカードを消していないかです。これに加えて、月に1度は外付けドライブをつなぎ、古い写真が開けるかを確かめてください。ドライブの不調に早く気づけます。外付けドライブの残りが総容量の2割を切ったら、次のドライブを用意する時期です。